チケット不正転売禁止法(特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律)は,一定の要件を充たすチケットを不正に転売する行為・譲り受ける行為に処罰する法律です。
[立法趣旨]
| 譲受人側の不利益 | ❶ 本来の価額を超える高額な価額での購入
❷ 入場拒否の可能性 |
| 興行主側の不利益 | ❶ 観覧者の減少
❷ 興行収入の減少 |
インターネットやSNSの発達にともなって,チケットを転売目的で購入したうえで高額で転売する行為が上述のように問題視されてきました。そこで,有効なチケットが適正価額で流通することを保護法益として刑事罰が設けられました。
不正転売・譲受行為は,次の要件を充足するものでなければなりません。
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このうち,❶特定興行入場券のポイントは,㋐興行主の同意のない有償譲渡を禁止する旨を明示し,㋑券面またはPC・携帯の画面に表示させたものであることです(2条3項)。要するに,不正転売禁止であると書いてあるチケットのみが行為客体になっているのです。
❷不正転売のポイントは,㋐反復継続の意思で行われていること(「業として」)と㋑本来の販売価格を超える価格を販売価格とするものであることです。たとえば,ライブ当日に予定が入ってしまっていけなくなった市民が1回だけ転売しても不正転売にはあたらず(㋐不充足),低い価格で転売してもかまいません(㋑不充足)。
不正転売防止法違反の法定刑は,1年以下の懲役と100万円以下の罰金のいずれかまたは併科されます(9条第1項)。起訴率は高いとまではいえないものの,反復継続して行っている者にとっては無視できない内容です(ときおり起訴されている例があります)。
政策的効果は計測されていません。もっとも,興行主が,公式のチケットリセール市場を設けた(5条)とともに,興行主が不正転売に対して厳しい姿勢を広報している(7条)ので,法政策として行為目標は相応に達成されていると評価して差し支えないでしょう。