・不起訴.png)
| 犯罪類型 | 財産犯 – 詐欺 – 寸借詐欺 |
| 罪 名 | 詐欺罪 |
| 受任段階 |
被疑者 |
依頼者は,軽い気持ちでお金が無いのにタクシーを利用しました。目的地で精算できなかったことから,運転手により通報されて,警察官が臨場し,寸借詐欺の疑いで逮捕されました。
*寸借詐欺とは,返済意思が無いのに,後で返済すると装ってお金をだまし取る詐欺の類型です。通常,数千円程度の被害額にとどまるのが特徴です。
依頼者は,所持金がありませんでした。そのうえ,親族による立替払いや身元引受を拒否されてしまったために,被害弁償も身元引受もできない状態でした。しかし,依頼者の境遇は不遇で,何らの障害認定を受けていませんでしたが,客観的には要介護状態であると見受けられました。そこで,生活保護の申請とともに,生活保護で入所できる介護施設を手配し,施設の職員に身元引受人となってもらうことにしました。
被害弁償に充てる原資が確保できなかったので,最後まで被害弁償はできませんでした。しかし,福祉の協力を得ることができて生活環境は十分整えることができました。そこで,検察官は,再犯防止を評価して依頼者を【不起訴】としました。
通常,寸借詐欺は少額ですから,被害弁償によって早期釈放が見込まれます。しかし,境遇によっては被害弁償金さえ捻出できないこともあります。そういった事例では,既に行った犯行の償いができないので,せめて将来の再犯可能性を下げることに集中します。本事件では,障害者支援の知識や福祉のネットワークを生かして依頼者の生活環境を整えることができました。
当事務所の弁護士は,100件を超える刑事事件の経験に裏打ちされた幅広い技術があり,選択肢の限られた困難な事件でも,取りうる最適解を目指します。